医療法人社団 栄桜会 杉の木歯科医院 SUGINOKI DENTAL OFFICE

千葉県富里市で保険診療、インプラント、アンチエイジングに取り組む地域密着型の歯医者、杉の木歯科医院のブログ

ご予約・お問合わせ
お電話でのお問い合わせはこちら
0476-93-1155
文字の大きさ

院長ページ

映画・音楽論評

映画 「コンタクト」

 故カール・セーガン原作の、壮大な宇宙での知的生命体との遭遇を高度なCGを駆使して描いたSF作品である。著書はベストセラーだったが、映画は大ヒットではなかったように思える。それは難解なテーマゆえに、緻密で美しい画像と迫真の演技をもっても表現し尽くしきれなかったからであろう。またラブストーリが淡白で、音楽が控えめなドラマ性よりも科学を重視した作品である。だが、視点を変えれば不純物でデコレートせず、また濡れ場で時間稼ぎすることなく、ありのままを鑑賞できる映画作品といえないだろうか。

 電波天文学者エリー(ジョディ・フォスター)は少女時代からの宇宙への夢を叶えるため、宇宙空間に電波を送りつづけていた。ある日、26光年離れた恒星ベガ(ひこぼし)からのメッセージを受ける。そのメッセージを解読するため、興奮覚めやらぬままあらゆる手段を高じる。その結果、それが宇宙空間を移動する装置の設計図と判明。そのマシンは強いエネルギー空間やプラズマ渦を作り出す。そして乗員は、設計図を基に作られたカプセルのような"ポッド"と呼ばれる球体に乗る。ポッドがマシンを通過するとき、宇宙空間を瞬時に移動できるワームホールに達する事が可能となる(この理論が難解)。ともかく、エリーは無事に目的のベガに到達し、そこで知的生命体と遭遇する……

 ……再び地球に戻るが、異星人とコンタクトした物証がない。五千億ドルをかけてマシンを製作した責任を議会の調査委員会で追及され、エリーは必死に体験した事実を訴えるが聞き入られない。彼女は無念の中に真実を焼き付ける。その真実とは、「人間は宇宙の孤独な存在ではない 孤独を癒すのは"お互いの存在"である」 共演は『評決のとき』で一躍、名を馳せたマシュー・マコノニーだが、ジョディ・フォスターの一人舞台だった。また、べガの一人旅は存在を強調したかったのだろうか。

 CG製作担当者が述べているように、多くの製作時間と大勢のスタッフを動員してオープニングに拘った。開始3分半でこの映画全体の完成度が決定されるのでCGのディティールまで気を配っている。地球から脱して、各惑星を眺めながら太陽系を抜け、幾多の銀河を通過し宇宙の果てまでのCGの画像は、目を見張る美しさである。この"現実"のシーンが十分に説得力を有するので、後のSFの世界が真を持って迫ってくる。筆者が印象に残った場面はオープニングと、エリーがベガに到達したときとで、そのときの台詞は「詩だわ、詩人を乗せるべきだった」。べガのあまりにも美しい光景は、エリーのみならず観客も感動させる。余談だがインターネットで、詩人とはだれのことかと、私のメル友に問い合わせた。直接の回答は得られず、「ラッセンのリトグラフを彷彿する」とか、「マーラーの第三交響曲のようだ」、などであった。広大な宇宙にポエムがあるのだと思えば微笑ましくなる。
  
監督: アラン・シルベストリ
主演: ジョディ・フォスター、マシュー・マコノニー他